シリコンバレーの縁側で:半歩引いて未来を考える対話

連続起業家で、今はシリコンバレーでAIスタートアップを起業している安田洋介と、仏教哲学の愛好家である元木啓貴が、半歩だけ引いた視点からAI時代の生き方や仕事や社会について気ままに語り合う対話ポッドキャスト。

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#9 AIに代替されないのは「私が感じたこと」。センス、パッション、ウィズダム

2026年10月7日 ・ 0:25:37

「ロボットが代わりに巡礼路を歩いても、私が歩いたことは全く代替されない」。前半の巡礼の話を受けて、後半はセンス(感覚)の話へ。AIは膨大なデータからセンスの良さを模倣できるが、光が網膜を叩いて電気信号になる人間の知覚メカニズムそのものは再現していない。嗅覚・味覚・触覚に至ればなおさら。「最高の音楽」や「最高の絵」を1位に決められないのはなぜか、良さとは「他の形もあり得た中でこの形を取ったこと」に宿るのではないか、という仮説。最適解を100社が追いかけると同じ場所に着いてしまう競争戦略の話、ベストは存在するはずだと信じる西洋的な前提への違和感も。技術トレンドとしては「IQ 300を目指す方向」から「簡単な問題を爆速で解く方向」への話題の切り替わり(TypeSafe AI の Jev のような System 1 型モデルの台頭)、パーソナルAIエージェントの多様化を扱い、最後に人間に残るコアを3つ(センス、パッション、ウィズダム)として言い切る。収録中に言及した関連記事(英語): Through the AI Dread: Widen the Loop, Hold the Core https://shugenwithai.substack.com/p/through-the-ai-dread-widen-the-loop

#8 サンティアゴ巡礼120キロ。身体が疲れると見えてくるもの、余白と節目の効用

2026年9月30日 ・ 0:19:57

ハネムーンでスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を6日間・120キロ歩いてきた話から。リゾートではなく巡礼を選んだ理由、1日20〜27キロ歩く身体の疲れが思考をどう研ぎ澄ますか、モニター5枚に囲まれた日常がいかにバーチャルかという気づき。終着点の大聖堂のミサでスペイン語の説教をその場で翻訳して聴き、「歩き切った身体的体験を意味に転換して、この先を生きる活力に変える」という人類が昔から使ってきたフレームの強さに触れる。後半は余白と節目の話へ。道中の村や馬や坂が節目として現れることで人生が味わえる、そして深い体験を誰かと共有していること自体が資産になる感覚まで。

#7 AIに仕事が溶けていく時代、何が残るのか。主体性、ギブ、そして余白

2026年9月23日 ・ 0:27:00

AIが人間用のUIをそのまま操作する「コンピュータユース」への違和感を入り口に、待たずに上書きしにいくシリコンバレーのハッカー文化、テクノロジーが「魔法」になり道具の原理が隠蔽されていく話へ。仕事がAIに置き換わっていく中でキャリアに残るのは、主体として事業を作る力ではないか。こんまりの原点に見る「ギブから始める」探索、AIの音声とメモリを使った自己内省、会社売却後の空白期間に「それでもやってしまうこと」が本当のテーマだった話、仏教の「諦める=明らかに見る」とそぎ落とし、フットワークの軽さと余白の大切さまで語り合う。

#6 確率論を逸脱する。自分の輪郭の掴み方と、投資的に生きるということ

2026年9月16日 ・ 0:17:34

シリコンバレーに来た東大の後輩たちとの座談会をきっかけに、若い世代のキャリア観の話から始まる回。自己分析は内省だけでも人と話すだけでも足りず、内と外の相互作用で「自分の輪郭」を掴んでいく作業だという話。モートの正体は資産のコンパウンド、大事な意思決定でこそ確率論(コンセンサス)を逸脱する価値、投資が社会の予測機構である理由、そして学生時代に影響を受けた瀧本哲史さんの脱コモディティ論まで。リスクを乗りこなす勇気と自己肯定感について語り合う。

#5 エージェンシーは「遊び」から育つ。子供心、ホモ・ルーデンス、動的平衡

2026年9月8日 ・ 0:24:55

前回の「エージェンシー」の話を実践編へ。AIがすごすぎて言われるがままになってしまう人が多い中で、どうすれば主体性を保ちながらAIを使えるのか。失敗を恐れない子供の遊び方をアナロジーに、組織に「遊び」を設計する方法、ホイジンガのホモ・ルーデンス、天照と神楽に見る日本古来の遊びのルーツ、小さな「できた」を積み重ねる自己効力感の弾み車、自己探求と外との相互作用のバランス、そして動的平衡まで。AIと人間のパートナーシップを、業務効率化とエージェンシー育成という二人の異なる持ち場から語り合う。

#4 最強のプロンプターはソクラテス。AI時代の「エージェンシー」と問いの力

2026年9月2日 ・ 0:17:16

スタンフォード大学のフェイフェイ・リーが語る「エージェンシー」を入り口に、AIがどれだけ賢くなっても人間にしか持てない主体性について考える。AIで意思決定を最適化するほど各社の答えが収束していく中で、企業の独自性はどこに宿るのか。「最強のプロンプターはソクラテス」という指摘から、問いを立てる力こそが独自性になる理由、星野リゾートに学ぶ「非合理だけど勝算のある」経営、そして人間はなぜ自由から逃走するのかまで語り合う。

#3 ネイティブアメリカンの知恵と、偉人が覚醒する条件

2026年8月25日 ・ 0:30:09

ネイティブアメリカンの植生を庭に取り戻す活動との出会いをきっかけに、カリフォルニアの先住民文化と日本の縄文的な感性の近さ、ビッグサーとヒッピームーブメント、そしてジョブズへと続く精神性の系譜をたどる。元木が体験した「死と再生の儀式」スウェットロッジ、エゴが溶けて大義に向かう感覚、リンカーンやマンデラに共通する覚醒前の抑圧の時期。AIで何でも作れる時代だからこそ問われる「あなたにしか見えない世界」と、それを苦しみの少ない形で引き出す方法について語り合う。

#2 広がる「AI格差」の正体。お金、リテラシー、そして文化

2026年8月18日 ・ 0:21:22

番組名「シリコンバレーの縁側で」に込めた意図の紹介から始まる回。シリコンバレーの関心はAIからロボティクス、防衛、フィジカルAIへと広がる一方で、月数万円の課金力、エンジニアリングの素養、そして「私に使えるのか」という文化的な心理障壁が、新しい格差を生み始めている。企業のAI活用は本当にPLに効いているのか、Metaの社内AI活用の実像、そしてAIを「自分にもできた」という成功体験と自己効力感につなげる設計の大切さまでを語り合う。

#1 AIの時代、私たちは何を軸にして生きていけば良いのか

2026年8月10日 ・ 0:45:42

シリコンバレー在住のAIスタートアップ創業者である安田洋介と、組織変革とAI活用支援を手がける、元木啓貴による初回対談。前日に登壇したカンファレンスをきっかけに、AI時代における人間の価値、熱中の見つけ方、日本人特有の適応力の起源、そして古代の知恵とAIをどう結びつけるかを語り合う。結論ありきではなく、対話そのものから新しい気づきが生まれていく様子を収めた回。